求人数が多く待遇面も悪くない歯科衛生士は再就職に強い

学費の安さと国家資格という魅力から歯科衛生士を目指した

私は高校卒業後に歯科衛生士の専門学校に通い、国家試験に合格して歯科衛生士になりました。その学校は県立の専門学校で、歯科衛生士の学科の他に看護学科や歯科技工士の学科もあり、最も大きな特徴は県立であるため学費が大変安い点でした。

当時、大学進学も考えていましたが、家庭の経済事情から私立の大学は難しく、とは言っても学費が安い国立などは受かりそうにありませんでした。知人から歯科衛生士のその学校の話を聞き、職業的に安定している点や国家資格が取れる点、また学費が安く済む点などに魅力を感じ、受験することにしました。

こんな風に私が歯科衛生士になろうと思ったきっかけは、ある意味、偶然そうなったという感じです。その職業を目指していた訳でもなかったため、その仕事の内容は詳しく知りませんでした。しかし、患者さんとして歯医者さんに通ったことは何度もあったため、おおよその仕事内容は分かっていました。歯科衛生士と聞くと世間的には、資格がある女性の職業のひとつとして注目されています。お給料も悪くはなく休日などもしっかりとれる職業として魅力を感じ、受験を決意したのです。

専門学校生活

比較的競争倍率が高かったのですが何とか合格することができ、専門学校に入学。今まで全く知らなかった歯の専門教育をしっかり受け、国家試験にも合格できました。学科や臨床実習などを通して専門的な知識を得るにつれ感じたのは、口の中は大変狭い空間であるため、細心の注意が必要だと言うことです。

もちろん医療に関する仕事としても、同様の心構えが必要です。歯科衛生士の仕事の範囲は限られていますが、しっかり自覚をもって務めなければならいない仕事だと、認識するようになっていきました。最初は歯科衛生士の仕事に意識が低かった私ですが、専門教育を受ける過程で徐々に必要な技術や心構えが育っていきました。

専門学校には多くの求人が届く

そして順調に就職先を探す段階に至りました。当時も今もそうですが、歯科衛生士の求人は比較的多いかと思います。歯医者さんの数に比べて、歯科衛生士の資格保有者が少ないのが要因かもしれません。

通っていた専門学校には、地域の歯医者さんから、その年の求人募集が数多く届きます。そのため就職先に困ることはないと言った、恵まれた環境となっていました。求人の多くは一般の開業医ですが、公共施設で歯科指導を行う職種の求人も数件ありました。

通いやすい地元に就職を希望

私は地元での就職を希望していたため、住むエリアの求人の中から、通いやすさ、歯医者さんの規模や施設内容、歯科衛生士さんの在籍状況、給与などの雇用条件を比較して最適な歯医者さんを選びました。

私の場合、選ぶ際のポイントはできるだけ大きい施設が希望でした。その理由は、一般の歯医者さんの場合は小規模であることが多く、あまり人数が少ないと風通しが悪いケースがあると考えたからです。万一、先生やスタッフの方と合わなかった場合、そのような環境では長く務めるのは大変です。できるだけたくさんのスタッフがいれば、そのような心配も軽減されると感じました。

私が選んだのは、地域でも比較的スタッフ数が多い開業医でした。技工士さんも在籍し、歯科医師は2名、先輩の衛生士さんも3名在籍する規模で、その歯医者さんは地域でも評判がよかったため、安心して働けるだろうと推測できました。給与なども特に問題が無い内容で、通勤も車で10分程度と程よい距離感にあり、申し分のない条件でした。そして面接を受け無事採用となり、私の社会人としての生活がスタートしたのです。

歯科衛生士として働き始める

歯科衛生士と言っても、最初は見習いとして徐々に仕事を覚えていく段階です。医師の介助も最初は恐々行っていました。器具の準簿も歯の型をとることも、全てが慣れるまでは大変で、今思えば、その段階が一番苦しかったように思います。

しかし幸いにも、先生も先輩の衛生士さんも優しい方ばかりで、丁寧に指導してくれました。この点は、本当に恵まれていたと感じます。

最初は当然失敗も多々ありましたが、そんな時でも適切にアドバイスをくれ、必要以上に落ち込むこともなく仕事を覚えていけたのです。同じ歯科衛生士の仲間から話を聞くと、職場環境が大変な医院も少なくないことを知り、良いところに入れたことに感謝しました。

半年もすれると患者さんへの対応にも慣れていき、少しずつ自信がついて、やりがいを感じるようにもなりました。

歯科衛生士は働きやすい職業だと思う

歯科衛生士の仕事は医療現場の看護師さんに比べれば、覚える範囲も狭く、慣れてしまえば続けやすい仕事だと感じます。診療時間や休日がしっかり決まっているため、結婚や出産後もパート的に勤めやすく、女性にとっては働きやすい仕事のひとつです。

しかし覚悟する必要がある点は、他人の口の中で作業する仕事だと言う点です。

人によっては不衛生な口の中を見ることもあります。もちろん、この点は専門学校で学ぶ過程で臨床実習があり、その時点でその覚悟はできるかと思います。もし歯科衛生士の仕事を検討している人は、その点に抵抗があるかないかは考える必要があるでしょう。

歯科衛生士を数年続ければ、もうプロフェッショナルと言えます。私自身も2年程経った頃には知識も増えて、自信がつきました。歯科衛生士として患者さんにも適切なアドバイスができるようになり、それが大きなやりがいでもあります。

その頃は安定した環境で働け、プロとしてのキャリアが積める歯科衛生士の仕事は、なかなか良い仕事だと感じていました。

歯科衛生士以外の仕事にも興味を持ち始めた

しかし歯科衛生士を続けて3~4年後ぐらいから、他の仕事にも興味を持ち始めました。これは、私の個人的な性格が要因かと思います。また、もともと歯科衛生士を目指していなかったことも関係しているのかもしれません。

特に勤めていた歯科医院に不満はありませんでしたし、むしろ社会人としてしっかり育ててくれたことに感謝していました。歯科衛生士の仕事もやりがいがある仕事だと、満足していました。しかし、まだまだ自分の可能性を探ってみたいと感じたのが、私が歯科衛生士を辞める決断に至った理由です。

仕事を辞めるのはもったいない・・・でも

周りの人からは、せっかく仕事にも慣れ、また資格も取ったのだから、辞めるのはもったいないと言われましたが、私は人生で色々なことに挑戦したいと言う気持ちが強かったのです。

歯科衛生士の仕事もしっかりマスターし、その仕事のやりがいも分かると、そのまま続ける安定感よりも、新しいことに挑戦したい気持ちの方が勝っていったのです。

私が目指したのは、歯科衛生士とは全く違った分野の仕事でした。もともと関心があったのですが、高校卒業当時はそのような情報が全くなかったため、諦めていたのです。

しかし働きながら色々調べているとその分野の情報収集もでき、お金も貯まっていたので、新たな人生に向けて舵をきる準備ができました。

人生の再スタートとなりますが、まだ20代であれば充分に実現可能な年齢です。歯科衛生士を続けるのもひとつの選択肢でしたが、私はその分野の専門学校に通い、新しい人生に挑戦し始めました。

歯科衛生士を辞め新たな仕事に就いた

現在はその職業に就いており、有り難いことに長く続いています。本当に自分で選んでスタートした仕事として、より自分に合った職業だと感じています。そのため、今は歯科衛生士の仕事に戻る気持ちはありません。

しかし、歯科衛生士の資格があることは心強いものです。何か職業で困った際も、その経験はすぐに活かせると感じています。歯科衛生士の求人は今も多く、待遇面も悪くありません。臨床現場から長らく離れているためその点は難点となりますが、もし必要となれば歯科衛生士の再就職に向けて動いていきたいと考えています。